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サイレント・ゲーム
リチャード・ノース・パタースンが描くのは単なるミステリーではない。卓越した技法と、徹底した調査に裏打ちされた科学的真実。そして、心を揺さぶる展開。読んで損は無い。


この本ほどに劇的では無いものの、人は誰しも過去との決別、そして思わぬ再会があるものだ。決別・再会のシーンには、どこか心の琴線に触れる出来事が思い起こされる。それが思い出したくないことであっても。

トニーに起こるのは、高校時代の恋人アリスンとの別離。単なる別れではなく、死別。その死の第一発見者トニーは疑いが晴れようとも、人々の記憶に残るのは犯罪者ではないかとの疑念。このキズは彼の人生に大きくのしかかる。
この町から離れたトニーが再びこの町と再会するのは、その別離の原因となった悪夢をなぞるように体験した高校時代の友人サムの危機である。青春時代の思いでから繰り返される悪夢の数々。再会して理解できた友人とはどんな奴だったのか…。

人間は嫌なことは、自分を守る術として封印することができる。非虐待児が「虐待されている自分」から逃れるために別の人格を形成してしまうように。

多分誰にでも封印した過去があるはずだ。この封印した過去は、常に封印を解く鍵と隣り合わせに存在する。人はこの鍵を持ち、封印したはずの過去を常に意識しながら日々を送る。封印を解いた悪夢を背中に背負いながら、いつ鍵をあけてしまうのか不安にかられながら鍵を握りしめている。もちろん、いつしか鍵を開けてしまうのは織込み済みだ。そのタイミングが悪かったときは最悪、悪夢を再び呼び寄せてしまい、もう一度深い闇に封印しなければならない。しかし、例えば分かち合う人が隣に居ればその過去はもう封印するほどのものではなくなる。日々、自分の過去に怯えながら暮らすか、封印を解いて自由になるか。その人次第だ。

書名:サイレント・ゲーム
著者:リチャード・ノース・パタースン
訳:後藤由季子
出版:新潮社
価格:2,940円
ページ:510ページ
発行:2003年3月
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