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ネット王子とケータイ姫(2)
ケータイがもたらしたコミュニケーションの変遷(その2)



1993年「ポケベルが鳴らなくて」で一気に市民権を得たポケベルは,女子校生の必須アイテムとして契約台数を伸ばし始める。ルーズソックスとミニスカを定番としたコギャルの発生は94年頃からと言われるが,ちょうどポケベル最盛期と符合している。

学校,そして家庭の閉鎖的空間からストリートへと脱出した彼女たちはポケベルをコミュニケーションツールとして活用し,「ベルトモ」という友人たちと奇妙な人間関係を築きはじめる。しかし,自宅や公衆電話からのメッセージ伝達という発信の制限がある以上,「14106」といった非要件的ベル以外は「用があるなら電話した方が早い」という側面は避けようもなかった。この点においてベルは直線的な伝達方法に過ぎず,またその制約があることで直接的なコミュニケーションが崩壊に至ることはあまりなかったようである。

ポケベルに取って代わったのは当然のことながら「ケータイ」である。「ケータイ」を手にした彼女たちは電話を手にしたわけではない。ポケベルの進化した「ケータイ」というメーラーを手にしたのである。この背景にあるのは携帯料金の急激な低下とメールによる双方向性にあることは周知のことである。情報端末であるにも関わらず,写メールや着うた以外はあまり活用されていないのは,ポケベルの進化系=メーラーと規定する理由だ。

ケータイ姫は寝ても覚めてもメールのチェックに余念がない。場所的な制約のあったポケベルとは異なり,ケータイは双方向性を持つ直線的なツールであるためレスが遅いと致命的な関係に陥る危険性を持っている。ベルの持つ場所的制約は関係性の修復が可能性となるアナログ的側面を残していたが,ケータイはもやはデジタルそのものであり,そこには「0」か「1」の選択しか許されなくなってしまった。人間関係が単なる非要件的情報により致命的に陥るという危機感により,ケータイ依存症あるいはケータイ恐怖症という精神的な症状を生み出してしまったのである。

(つづく)

書名:ネット王子とケータイ姫―悲劇を防ぐための知恵
筆者:香山 リカ、森 健
出版:中公新書クラレ
価格:735円
発行:2004年11月
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