ニート=ひきこもりのように,働く気もなくグータラでどうしょうもない奴ら。たとえば2ちゃんねるに一日中書き込んでいるネットワークオタクだったり,外的には人と接することを極端におそれることもある。時には爆発するように暴力的になることもあって恐ろしい。場合によっては幼児性愛を持ち,とんでもないことをやらかす輩も,こいつらの仲間だ。
マスコミによるネガティブキャンペーンによって,こんな極端なニート感ができてしまった。
確かに人に聞いてみると,「ん〜,やる気ない人でしょ。」とか「働かなくてもいいなんて,いい身分だよね。」という一面的な見方しか出てこない。そこで,このでたらめニート論を統計的に分析して,きちんとした定義付けを目指したのがこの「「ニート」っていうな!」である。残念なことにネーミングの悪さで,「何だ?ニートの自己弁護本か?」と思われ見向きもされないような気もするが,本田由紀氏によるニートといわれる階層の分析は,わかりやすい。
本田氏の提示する「ニート」と呼ばれる階層の分析は一見すると,「非求職型(仕事を積極的に探していない)」「非希望型(仕事をする希望を持たない)」というように,若干決めつけ型的のように見えるが,これはわかりやすさの理解のためだろうと思う。もちろんニート内部あるいは,ニートとその外側との揺れ動きも多く発生しているということも踏まえてのことだろう。この区分については原典を参照していただきたい。
現代の「ニート対策」と呼ばれるものがおおむね失敗しているのは,実はこの構造をきちんと理解して,必要な人に必要な手だてを準備していないことが多いからではないか。
たとえば,NPOによるニート支援。対象となっているのは「ニート」と言うだけで,社会経験とかいって雑用だけさせているなんていうことが多い。「この人はなぜニート階層にいて,どんな問題があって,本人はどうしたいのか」なんて原因の分析は皆無だし,「だとしたら,この人に合った支援はどうしていこうか」という本質的な話はあまりない。要するにリサーチしていないわけだ。
それと,「農家で,牧場で働いてみよう!額に汗することはすばらいしい」なんていう共同合宿スタイルもあるが,はっきり言ってナンセンス。こんな支援を求めている人はゼンゼンいないと思う。
それより,何より問題なのはうつ病とか統合失調症の人が「ニート」として,そういった誤った支援を受けているということだ。顔色が悪くて,薬を飲んでいて明らかに病気なのに「がんばれ〜」とか言われていたりするんだよ。もちろん専門家のサポートなんて皆無。おいおい,死んじゃったらどうすんだよ〜。みたいなアブナイ状況も大ありなんだよ。
書名:「ニート」って言うな!
著者:本田 由紀, 内藤 朝雄, 後藤 和智
出版:光文社新書
価格:840円
発行:2006年1月
ページ:310ページ
こんなこと本当は言いたくないんですが、親殺しをはじめ、陰算な事件が多発するだろうな…と思うんです。格差は悪くないなんて、脳天気なことを言ってる人は、なにを考えているのかと思います。国民会議でも開きたい大問題です!
これは雇用の問題で、バブル崩壊から雇用が抑制され、さらに新卒主義ですから5年もニートしてたら相手にされないのが現実。いざ社会へとなっても、せいぜいAmazonの倉庫ぐらいしか職場がない。
そして、これは数多い少子化の一つの原因にもなっていますよね。収入が確保できなきゃ、やっぱり結婚は難しい。当然、非婚化ということです。
2007年問題をうまくニートの社会化につなげる議論をして欲しいと思いますね。
フランス国民議会(上院)は、2006年3月9日、雇用機会均等法の最終案を可決。これにより、同法に盛り込まれた「初回雇用契約(Contrat Premiere Embauche :CPE)」導入も決定した。4月末施行の見通し。CPEは、2006年1月16日、雇用創出を優先課題に掲げるド・ヴィルパン首相が、新たな雇用促進政策のひとつとして発表したもので、依然として高い失業率が続く若年者(16〜25歳)(注1)の雇用促進を目的とする。26歳未満の雇用について2年間の試用期間を設け、この間は理由なしの解雇であっても可能とすることで採用数を増やすのが狙い。同首相は「雇用のための闘いの第2ステージ」として、効果を期待しているが、CPE導入は雇用の不安定化につながるとして学生及び労組らが強く反発。若者を中心に抗議運動が全国的に広がる中での法案成立となった。
http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2006_3/france_01.htm
大規模な抗議運動に若干の修正に応じようとはしているが、仏政府の態度はかたくなだ。まさに、毒のような奇策。賛否両論だが、ここまで徹底した政府の態度には拍手を送りたい。