神保・宮台の丸激トーク・オン・デマンドに安田弁護士のインタビューが掲載されている。マスコミは本村さん側からの感情的報道ばかりであり、例の裁判欠席の際に会見した安田弁護士側からの報道はほとんどなかった。「準備不足」とした理由さらには「事実誤認」とした理由について、安田弁護士は以下のように説明している。
・事件を受けたのは、弁論の2週間前である。最高裁の弁論は1回だけであり、弁護活動の集大成が弁論である。このため準備期間が2週間では到底弁論を行うのは無理であり、当然のように延期申請した。この延期は今まで、拒否されたことはなかったが、今回の場合は「いきなり却下であった」。
・本人と会った時に「殺すつもりはなかった」という真相告白があったが、当然証拠や事実関係などは詳細に調べる必要があり、それは2週間では無理。
準備できないまま弁論に出るのは「弁護人としてはやってはならないこと」である。
・前日に「欠席届」を出して欠席しており、これはきちんとした弁論をするため、国民の権利を守るためであり、弁護士としてあたりまえのことである。
・欠席理由について会見で理由は説明しているが、全く報道されていない。メディアは被害者と加害者が対立する場として作り上げ、意図的な意味づけがあったのではないだろうか。
・この裁判では、意図的に凶悪性をつくりあげていくということがうかがえた。それは、鑑定書と事実認定の齟齬である。
鑑定書「片手で首を絞めた」
事実認定→親指でのど仏を思い切り絞めた。さらに両手で思い切り絞めた。亡くなった後も絞め続けた
鑑定書「頭に全くキズがない」
事実認定→頭から床にたたきつけた、手で絞めた、ひもで縛った、さらにちょうちょ結びをした
・このように殺し方の事実認定が鑑定書と全く異なっていた。
こういったことについて、裁判官あるいは弁護人すら意図的に気が付かない、あるいは気が付かないふりをしたということがうかがえるようであった。
・また、弁護士が真実をつかんでいるのだろうかという疑義もあった。こういったことが真実抜きで進められている裁判ではないかという危険性を感じていた。
・殺意はなかったという被告の供述と、鑑定書と認定の事実から考えると、殺人と傷害致死は本質的な差があり、「結果的に死んでいるんじゃないか」という感情的な世論になってきているのは大きな問題である。
・この事件が、少年法18歳の凶悪性をあおりたて、厳罰化へ向かう方向性で仕組まれたものになってしまったのではないだろうか。また、メディアにのせられる世論、司法という問題がったあったのではないだろうか。
メディアを中心とした一方からの視点のみで、世論も裁判所もシンクロしているといった状況に陥っていることは司法の危機的状態ではないだろうか。
安田氏は、世間から凶悪犯扱いされる被告の弁護を引き受ける理由として、「マスコミバッシングによって正当な裁判を受ける機会を与えられていない」ことを理由にあげる。安田氏の厳しい追及によって、新宿西口バス放火事件など、過去に下級審の判決の軽減に成功したケースも多い。
安田氏はまた、マスコミから極悪人のレッテルを貼られた人間を、正当な裁判もないまま葬ってしまおうとする昨今の風潮を民主主義の危機として、強く危惧する。また、そうした風潮が、近代法の前提たる推定無罪原則からの司法の逸脱を許しているとして、世論に迎合する司法の堕落ぶりも批判する。
videnews.com 第269回放映[2006年5月24日]から
タイトル:私が重大犯罪の被告を弁護しなければならない理由
ゲスト:安田好弘氏(弁護士)
*有料コンテンツですが、ぜひご覧いただきたいインタビューです。コメントは後日書く予定。
普通は、18歳1ヵ月というと高校生の場合がほとんどである。彼は、早生まれの3月生まれであったから、会社員という立場であった。
され、彼がもし高校生だったら、どうだったろう。
高校生だったら、死刑判決が出るどころか、
精神鑑定を何度もされ、医療少年院に送られ、
立派に更正したかもしれない、とも思う。
18歳と1ヵ月、は、まだまだ未熟な子供だと思う。