2006.12.14 Thursday
金子氏はただちに控訴した。
昨日の判決は,Winnyというソフトあるいはソフトをつくったことが違法であるということではなかった。つまりWinnyが違法かどうかという点については判断していない。というか、判断しようもない。問題はこのソフトを利用して著作権侵害が蔓延している状況を知っていながら、開発者はソフトをダウンロードできる状態に放置していたということ=著作権侵害幇助らしい。
とは言いつつも「Winnyによって著作権侵害の蔓延を積極的に企図したとまでは、認められない」とも言っており、世論にも配慮しなくちゃならないしってとこで、判決はかなり苦しい判断だったのだろう。ただし、それが妥当だったかどうかは何とも言えないな。
簡単に言ってみると、「ソフトを開発することはいいんですよ。ただし、そのソフトを公開することで、どのような社会的影響が生じるかということについて開発者は慎重になるべきだよね」ということ?
でも、これってスゴイ難しいんじゃないか?なぜなら、そうした影響を事前に知ることはできないし、たとえマズイ使い方されているのが判ったとして開発者が「こりゃマズイ」ってわけで削除したところで後の祭りだろう。マズイ使い方をしようとたくらむ奴らはいろんなところにファイルを置いておくから拡散する一方で消滅なんてありゃしない。オープンソースを含めて「ちょっと公開してみるわ」が逮捕に繋がる。これは当然開発者としては危機感を持つだろうね。
Winnyに関してかなり厳しい意見ももちろんある。高木さんが書いているように,「言わば、Winnyはウイルス(ワーム)プラットフォームであり、そのようなソフトウェアの使用は社会的に危険」であり「使用を法律で禁止する立法を検討するべきだ」という極論。これ開発者はどう思うんだろう?ソフトが社会的に危険かどうかの判断は誰がするのか?またWinnyのような性質を持つものはすべて排除することがセキュリティ上では有用な考えだとしても、このような制限をかけることで開発ヒントに制限がかかるとしたらどうなんだろう?
もちろん金子氏の場合、モトケンさんの言うように「未必の故意的なもの」が明らかに突出しているから=つまり著作権侵害を煽ることを織り込み済みで開発しているからという特殊な事情はあるにしても、開発環境に影響を与えることは必至だろう。
いずれにしてもWinnyがダメってわけじゃなくて、その社会的影響を放置したことがダメっていう判断なわけで、以前書いたようにやっぱりWinnyがバージョンアップされていれば多少は被害が防げただろうし,新たなウイルスが発生しても対応できたかもしれない。もちろん高木さんが言うように流出したファイルは救いようがないけどね。
でももし、金子氏がヴァージョンアップで既知のウイルスをシャットし、「著作権侵害はダメよ」というアラートでも出していたら裁判所はどう判断したんだろう。
しかし、今だにその匿名性が破られないっていうのは、ある意味スゴイソフトだと思うんだけどなあ。どう思います?
*ウィニー開発者に罰金判決(いくつかの追記あり)(モトケンさん)
*Winnyの問題で作者を罪に問おうとしたことが社会に残した禍根(高木さん)







