スポンサーサイト

  • 2023.06.23 Friday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 0
    • -
    • -
    • -

    でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相

    • 2007.02.25 Sunday
    • 16:48
    評価:
    福田 ますみ
    新潮社
    ¥ 1,470
    (2007-01-17)
    2003年、福岡市で「殺人教師」ともマスコミが取り上げた事件があった。
    教諭は今年5月、男児に対して「ミッキーマウス」や「アンパンマン」と称して、両耳を引っ張ったり、ほおをつまんだりする体罰を集中。男児は歯が抜けたり、耳が切れるなどのけがを負った。
    男児の曽祖父が米国人と知ると、授業中に男児に向かって「外国人の血が混じっていてけがれている」と発言。さらに「お前は早く死ね。マンションから今日飛び降りろ」などと言ったという。(毎日
    この「でっちあげ」はこの事件のフォローアップとして福田ますみ氏がまとめたドキュメンタリーである。いじめたとされる子ども側は教諭と市に慰謝料など1300万円の損害賠償を求めて提訴し、2006年に判決が出ている。
    野尻純夫裁判長は「体罰やいじめがあり、生徒は肉体的、精神的苦痛を受けた」と述べた。ただPTSD発症については否定。教諭が「自宅マンションから飛び降りろ」と自殺を強要したとの原告の主張は退けた。(日刊スポーツ


    この事件、ネット上でも話題になり、問題となった教諭の実名や学校名が晒された。本ブログ管理人も本書を読むまではとんでも無い教諭の代表格として認識していたところである。

    ところであるが、コメントをいただいた本書を読むにつけ???と、?の数が増え続けているといった状況である。内容の詳細な解説は本書を読んでいただくとして、唯一よくわからないのは当の教師の態度というか主張である。

    もともと問題とされたのは、この教師が発言したとされる「血の穢れ」。すなわち教諭による「いじめ」の原因は子どもにはアメリカ人の血が混じっているという条件が前提となっている。もちろんそのことは原告側も承知のはずであったが、公判で明らかになってくるのは血が混じりようもないという状況であった。お母さんはアメリカで飛び級したと言っていたが、アメリカで学校に行っていたなんていう話はまるっきりなし。次々と原告側両親のウソが暴露され、「いじめ」そのものの原因がガラガラと音を立てて崩壊するといった予想外の展開である。

    しかも、「血」が原因で教師のいじめにより発症したとされるPTSDの診断そのものが全く信用できない代物。当然のことながら、「血」が穢れているから「マンションから飛び降りろ」ということも全くの確証が無く判決では退けられた。

    しかし、本書にある教師の反対尋問の様子の記述はあまりに少なく、しかも明確に体罰していないと書かれてはいない。このため、判決でも「体罰はあった」とされるわけだが、本書冒頭に記述されるように、「ちょっと顔をつかんだ(かもしれない)」が「保護者から抗議を受けるような体罰はしていない」というように、教諭の主張はあいまいなのである。福田氏としては「体罰」とはいえない程度の注意を喚起するボディタッチがあったのだろうという推測なのであろうが、読み手としてはこのあたりが非常にもどかしい。

    確かに血の話やPTSDは原告がマスコミと共につくった「でっちあげ」であり、当初原告が訴えた残虐ないじめ自体も「でっちあげ」であった。しかし、判決では「相当軽微なもの」だがミッキーマウスやアンパンマンを数回行った」としているため、体罰そのものは「でっちあげ」だったとは認定されていない。

    どうだろう、教諭は体罰を行ったのだろうか。本書を読む限り「注意を喚起した」程度であり、すぐさま体罰だったとは考えられない気もするが、明確なところはわからない。しかし、はっきりしたのは原告側が相当デタラメだったことが法廷で明らかにされてしまったことだ。こんなデタラメな人間がマスコミを味方につけてウソだらけの噂を吹聴したとしたら、まず普通の人は極限状態にまで追い落とされるだろう。今年1月に控訴審がスタートしている。

    *情報を寄せていただいた、「jackjack」氏及び「とお」氏に感謝申し上げます。また、以前のエントリーにおいて教諭の実名を掲載しておりましたが、疑義が明らかなことから削除いたしました。大変ご迷惑をおかけしたこととお詫び申し上げます。

    スポンサーサイト

    • 2023.06.23 Friday
    • 16:48
    • 0
      • -
      • -
      • -
      コメント
      「でっちあげ 福岡殺人教師事件の真相」の著者です。拙著をお読みいただき誠にありがとうございます。教諭の立場で書いている点などいろいろご批判もあるとは思いますが、著者の意を汲み取っていただき感謝しております。
      耳寄りな情報をひとつ。原告側親子は3月5日付で教諭に対する控訴を取り下げました。ただし、福岡市との控訴審は続行する構えです。詳しくは、「公式サイト新潮社」の下段の更新情報、「でっちあげ事件、その後」を参照ください。
      今後ともこの事件に関心をお寄せいただければうれしいです。
      • 福田ますみ
      • 2007/05/13 5:58 PM
      福田さん、コメントありがとうございます。

      教師に対する控訴取り下げですか、弁護側も教師側に対して、これ以上の公判維持は難しいと判断したんでしょうね。大弁護団も「まさか…」と青くなっていたんでしょう。大弁護団を立ち上げたはいいけど、結果がこれでは、ホント彼らにしてみれば想定外ってやつなんでしょう。

      今後の展開も楽しみにしております。
      http://www.shinchosha.co.jp/book/303671/?select=free
      • iFinder
      • 2007/05/14 9:45 PM
      福田さん、新潮ドキュメント賞おめでとうございます。モンスターペアレントと最近言われていますが、まさに好例といえるケースですね。卓越した取材力が評価されての受賞です。

      http://www.shinchosha.co.jp/documentsho/
      • iFinder
      • 2007/09/01 1:21 PM
      高裁の判決が出ましたね。判決では、「体罰・差別・いじめ」が認定され(「全国初教師によるいじめ」が認定)さらに、それによって治療の必要性まで認められていましたね。・・ということは、「でっちあげ」自体が崩れ落ち、でっちあげられた本だったということになってしまいました。もともとこの本は、地元では誰も信用していなかったんです。なぜなら、目撃証言もたくさんあり、本当にこの信じがたい暴力虐待教師は存在し、事件自体が本当にあったからです。それを、同じ創価学会の信者である作者が共謀し、被害者側に有利なものは全て除外し、教師の大嘘を並び立て、被害者を中傷した、一方的な本だからです。他のサイトでもかなり叩かれていますが、とてもライターとはいえませんね。不思議なのは、なぜここまで被害者側を中傷・攻撃するのか?これまで、被害者家族は、問題など起こしたこともなく、逆に親御さんは揃って驚くほどの美男美女・お子さんもハーフの顔立ち(見た目ハーフ)・家族仲もよく・誰もが羨ましがっている、理想的な憧れの、幸せを絵に描いたような家族です。作者は、もしかしてそれに嫉妬し、ねたみでどうしても陥れたかったのでは・・?との声も多くあります。じゃないと、あれだけ感情的にはならないでしょう。事実が明らかになり、作者はどう言い訳するのでしょうか?自分がでっちあげたことは、裁判の判決で明らかになってしまったのだから。自分が不幸で、被害者家族が妬ましかったから・・なんて言えませんよね。でも、良い事のコメントばかりされてますが、「でっちあげ」こそが、まさにがでっちあげだったことについても、是非コメントしてほしいですね。
      • 地元のママ
      • 2008/12/09 1:29 PM
      ニュースの情報は以下のとおり。詳細不明だが、事実認定は踏襲されさらに賠償額も増額されている。

      福岡市教諭いじめ 市の賠償330万円に増額 福岡高裁も認定 児童PTSDは否定
      2008年11月25日 14:18 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡

       福岡市西区の市立小学校で担任の男性教諭(51)から「アメリカ人の血が混ざっている。汚れている」などの差別的発言や暴力、自殺の強要などを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、当時の4年生の男子(14)=現在は中学3年=と両親が市に約5800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、福岡高裁であった。石井宏治裁判長は、市に220万円の支払いを命じた一審福岡地裁判決を変更し、賠償額を330万円に増額した。

       控訴審はPTSDの発症と自殺を強要したかどうかが再び争点となり、男子への尋問も初めて行われた。

       判決で石井裁判長は、教諭が男子に耳を引っ張るなどの体罰やいじめ行為をしたと認定したが「PTSDを発症させるような外傷体験にあたるとはいえない」と発症を否定。自殺強要の事実についても認めなかった。

       一審判決は、教諭が2003年5‐6月、男子の曾祖父が米国人だと聞き、男子に対して「アメリカ人」「髪が赤い」と発言したり、男子の耳を数回引っ張ったことなどを認定。「原告に対する体罰、いじめであり、許容されない違法な行為」として市の賠償責任を認めた。

       一方でPTSDの発症や自殺の強要などについては否定。一審では教諭も被告となっていたが、地裁は「公務員の不法行為の責任は地方公共団体が負う」として請求を棄却。双方が控訴した。

       控訴審では、原告側が教諭への訴えを取り下げたため、教諭は市側の補助参加人として訴訟に関与、いじめはなかったと主張していた。高裁は今年2月、和解案を提示したが、成立しなかった。

      =2008/11/25付 西日本新聞夕刊=
      • iFInder
      • 2008/12/10 11:12 PM
      2008年12月9日にコメントなさった地元のママさんへ。
      私はとあるきっかけでこの事件を参考程度に調べているのですが、両極端な意見しか見ていないのであなたの意見も少し伺いたいです。
      コメントを下さるとうれしいです。
      • アルク
      • 2008/12/20 1:51 PM
      アルクさんへ。私は地元に住んでいて、この事件を当初から知っています。著者は、教師側に極端に偏り、取材等もしていましたが、実際、暴力・いじめを目撃したと証言もしているのに、本には、故意に全く載せていません。学校側の調査によると、クラスのほとんどの児童が、いじめを目撃しています。判決でも、治療が必要なほどのいじめが行われたことまで認定されています。問題は、教師が「全国初の教師によるいじめ」が認定されたことです。この本には、あたかも両親・児童が嘘つきだということを書いてあるだけではないでしょうか?書いてある内容も、でたらめばかりです。「裁判で曽祖父がアメリカ人でないことがわかった」と書いてありましたが、全くのでたらめです。お母さんのことも批判していましたが、幼少の頃から日本・アメリカの小学校を数ヶ月ごとに行き来されていて(写真も見せてもらいました)高校卒業後は、アメリカに留学され、帰国後は、通訳・翻訳の仕事をされていました。裁判記録を見れば分かることですが、この本は全くのでっちあげです。「福岡市 いじめ でっちあげ」で検索したら「でっちあげで見にくい言い訳」というのが出てきますので、参考にされてください。何か質問等ありましたら、いつでもどうぞ。でも、この事件は、被害者家族がどうの・・というのが問題ではなく、実際、この教師がしてきた事が問題になり、裁判までに至ったことを忘れないでください。いくら本で「何一つしていない」と言っても、証拠や証言でこの判決がでたのですから・・・。
      • 地元のママ
      • 2008/12/22 12:09 AM
      地元のママさんへ。冬休み中、なにかと多忙であったために確認と返事が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
      丁寧なご返事ありがとうございます。さっそく「でっちあげで見にくい言い訳」の方を読ませていただきました。

      昨年の注目を浴びたドラマ「モンスターペアレント」を覚えているでしょうか? 教師が無理難題を突きつける親たちに困りながらも立ち向かっていくという、私としてはちょっとどちらの側からみても話の展開が大袈裟過ぎたものでしたが、世間受けが意外と良かったドラマです。
      保護者たちの要望に無理があるのに「できません」と言えない教師たちの姿。言えなかった教師もアホらしいと思いますが変な要望を先生にするなんてその保護者もアホだと思いましたね。
      私の「学校へのイチャモン」論は置いといて、問題はマスメディアによる影響によって「教師をいじめる保護者」=「実際は悪者」という考えが世間に少なからず植えつけられたことです。

      私もこの事件はウィキでみるまで気付かなかったぐらいにテレビで報道さた期間が短かったと思います。実際、マスコミは世間にウケるため、事件に面白く脚色することもありますし、熱い間はとことん加害者的な存在を叩くそのくせ、その事件の「賞味期限」が切れたらすぐ捨てますしね(コメンテーターだとみ○もんた氏は特にひどいと思う)。
      今回は上のイコールの関係によって、「実際に悪いのは保護者だから先生は助けなきゃ」という意識が知らず知らずのうちに、マスメディアの働きによってこうなってしまったのではないかと思います。その上福田氏の本が出たら波は完全に教師の方に行ってしまって…。

      だから私は、地元のママさんたちなどの「被害者たちの周りから見た意見」がなぜ大々的にテレビに報道されなかったのかに疑問を感じます。そうすればテレビ朝日以外にもより真剣に取材してくれる局が現れたかもしれないし、多面的にその教師について洗われていたかもしれませんからね。

      もし次の論点がずれていたら先に謝ります。
      実は今回のケースを読んで、児童に体罰の与える理由が「それだけか?」と感じています。私が通っていた高校では「地毛が黒でなければ入学時に証明書を送れ」となってた気がするので、私は『教師が被害を受けた児童の毛の色について確認してなかった』ということにも疑問ですし、『学校側にそういった資料が届けられていなかったのか』についても疑問があります。

      現在では体罰は基本的に禁止されています。だから今回の事件がそのクラスの生徒たちのいじめではなく教師からの体罰であれば絶対に許されないことであると私も思います。

      しかし、私は元々がいじめられっ子だから思うのです。
      クラスの中で外見が少しでもみんなと違えば先生の見ていないとこでそのことについて「特殊だから」、「変わってるから」という理由でいじめられるけども、いじめっ子たちのことを言うとその反撃が怖いから違うもののせいにする傾向は少なからずあります。
      愛知県でいじめによる自殺をした少年でも、遺書の中で「いじめた子たちについては名前を載せれません」と残しているぐらい、いじめっ子たちのことは怖いです。
      教師の何気ない発言によってその児童はクラスの「いじめのターゲット」になってしまったのではないか。よく調べる前はそんな風にも考えていました。
      こんな時にどうでもよいでしょうが、私は自分の心の中にある「外見についての恐怖」はどんなに褒められたとしても一生拭い去れることはないと思ってます。それだけ「一生変われない外見(眼とか肌の色とか)」について悪く言われることは心に深く突き刺さるものです。


      眠気眼で書いてるので途中矛盾点が生じてたりするかもしれませんが、とにかく長々とどうでもよいことまで書いてしまってすいません(汗。
      今回の意見は本当に良い参考となりました。みんなに誤解されないよう、しっかりとした証拠を持って発表したいと思います。
      本当にこんなところまで読んでくださってありがとうございました。
      • アルク
      • 2009/01/08 1:39 AM
      私もこの本を読みまして、いろいろ調べてみたのですが・・・・・。

      地元のママさんと同じ文章が(たぶん同一人物がコピペ)して、あちこちのブログにコメントをつけています。ここでは地元のママさんですが「正義」さんのときもあります。

      ひとりであちこちコメントする努力は買いますが、どうせするなら文章を変えればいいのに。
      「でっちあげがでっちあげ」なら告訴すればいいのにと書かれているコメントにはノーコメントですよね。

      >逆に親御さんは揃って驚くほどの美男美女

      ちょっと笑えましたw
      • 遠方のママ
      • 2011/06/04 7:29 PM
      >誰もが羨ましがっている、理想的な憧れの、幸せを絵に描いたような家族 です。

      「誰もが」って一体、だれですか?(笑)
      虚言で対人操作したがる人が、よく使うフレーズですよね。
      事実は、そんな人は一人もいないのでしょうね。

      >作者は、もしかしてそれに嫉妬し、ねたみでどうしても陥れたかったのでは・・?との声も多くあります。

      出た!
      「妬まれている」という勝手な妄想。
      それも自分で言うのはさすがに恥ずかしいから、また架空の登場人物ですか。
      「~の声も多くあります」
      だったら、なぜ同一人物が、せっせとあちこちで相手に対するネガティブキャンペーンしなきゃならないの?(笑)

      妄想虚言自己愛の人って、面白いことをしますよね。
      • 第三者ママ
      • 2013/01/10 10:20 PM
      偶然手にして、そういえばこんな事件があったなあ、と思い読んで見ました。というか もうとっくに教師の敗訴でカタがついているものとばかり思っていました。あの報道を思い出す限り 教師に正義なんてなかったですからね。しかし読んでみると 下手なフィクションより怖い・・・。
      私はただの第三者ですが
      どちらが正しいかどうかというより マスコミの恐ろしさのほうが印象に残りました。ただ個人的な意見ですが 上記の書き込みのように でっち上げのほうがでっちあげだというのは ご自由ですが 美男美女の両親や 誰もがうらやむ家庭環境に嫉妬して、という憶測で 「だからこんなでっち上げの本を書いた」という部分は 失笑してしまいました。そんな動機でルポを書くような 暇なライターどこにおる?下種すぎて 熱の入った擁護論も 胡散臭さでかえって 信憑性が薄れてしまいますよ?
       
      • 今頃読者
      • 2014/02/19 1:32 PM
      コメントする








          
      この記事のトラックバックURL
      トラックバック
      第6回小林秀雄賞と新潮ドキュメント賞がそれぞれ決まりました。 小林秀雄賞は内田樹さんの「私家版・ユダヤ文化論」、   新潮ドキュメント賞には、 「でっちあげ 福岡『殺人教師』事件の真相」です。   第6回小林秀雄賞受賞作「私家版・ユダヤ文化論」は
      • 及川的大人のブログ
      • 2007/08/30 10:57 PM
      http://ifinder.jugem.cc/?eid=436でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相 を読んだ。なんの先入観もなく、この事件自体も知らなかったのだが、一気に読んでしまった。いや、一気に読まされた感...
      • 人間濾過装置
      • 2009/10/22 9:54 PM

      PR

      calendar

      S M T W T F S
           12
      3456789
      10111213141516
      17181920212223
      24252627282930
      31      
      << March 2024 >>

      selected entries

      archives

      recent comment

      recent trackback

      links

      profile

      search this site.

      others

      mobile

      qrcode

      powered

      無料ブログ作成サービス JUGEM