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少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ
評価:
山田 昌弘
¥ 777
(2007-04)
山田昌弘氏がパラサイトシングルという造語を作り出したのが99年の『パラサイト・シングルの時代』。それから約8年経過して,失われた10年といったところでのフリーターなどの非正規雇用形態が爆発的に増え,さらにニートという状況に進化したりして,明らかにパラサイトシングルは進化しつつある。本書は,現代の少子化問題の核を「経済問題」として従え,しかも西欧に比較して自活に関する緩やかな日本文化の特徴を適切に踏まえつつ,その悪循環を明確に解説する好著である。
最近,自治体でも「ふれあいパーティ」などと称して公金を出会い系につぎ込んでいるが,これがまったくのバカ策であるってことがよくわかる。山田氏が指摘するのは,「出会いは昔のほうが少なかったよね」ということだ。これは明らかであって,普通に生活していればいくつかのコミュニティには属しているはずである。それは職場だけでなく,趣味的なものやネット,なんとかスクールとか,昔に比べれば格段に出会いの場は多い。ま,確かに職場と家の往復だけという人もいるだろうが,だからといって昔よりも機会が減ったとはいえない。

昔は,お見合い全盛期ということもあったけど,それが恋愛至上主義に変わったことで「できるだけいい出会いを待つ」ということが一般化しっちゃったことが晩婚化・非婚化の一因になっているのかもしれない。まえにも一度書いたけど,要するに結婚しないのは「結婚したい相手にめぐり会わないから」という理由が多いんだけど,ここで気が付かなかった視点が実は恋愛の対象は別ってこと。つまり,「付き合ってもいい相手にはめぐりあっている」し付き合ってもいるんだけど,その人とは結婚が前提じゃなくて楽しいからのお付き合いであり,付き合っているにもかかわらず結婚したい相手を待っている,ってことがあるということ。な〜るほど,結婚と恋愛は既にイコールじゃないってことね。

そりゃ,女性としてみれば家にいて働いていれば月々相当のお小遣いでブランドものを買えるけど,まちがって年収300万円の男と結婚したら明らかに生活レベルはダウンしちゃう。恋愛至上主義としては収入は最低条件で,さらに顔とか性格とかが出てくるわけでしょ。そうすると,この格差社会ではセレブな奥様を目指すとすると過当競争。あぶれた女性は待ち続けなきゃならないってことになる。

しかし,男はもっと悲惨。収入前提だとしたら新卒であぶれてフリーターになったりしたら,なかなか雇用で復活することはできない。失われた10年が生み出した新卒非正規雇用者は相当数になるだろうから,彼らが積極的に中途採用されないとしたら結婚は絶望的だろう。だっていくらフリーターの経歴を重ねたところで年収が増えるのは微々たるものだろうし,いつ「はい,さようなら」と言われるかわかんないもん。

ま,なんとかの経済的レベルで結婚しても,自分らの生活が最低水準だとしたら子どもなんて考えようもない。奥さんが仕事をやめても再雇用の保証は無いし,その間の公的助成はほぼ雀の涙。少なくとも自分が育てられた環境が最低水準だから,より以上の子育てはしようと思うはずだものね。

日本は成人しても親と暮らすのが認められている社会だからニートが蔓延するんだろうし,しかも社会との接点が失われれば非婚どころか,一生そのままってことか。すると親の年金があるうちはいいけど,亡くなったりしたらどうすんの。ホームレスになるか最後のセーフティネットにたよるしかないじゃん。生活保護はどんどん増えてきているし,保護のレベルに達していても保護を受けていない人は相当多いはず。たぶんこのまま非婚・少子化,しかもニートさんの高齢化が進んだら,ものすごい社会保障費になっちゃうんじゃないか。

税金は高くなるわ,収入は増えないわでは,結婚しても子どもなんて余裕はなくなるわね。いずれにしても経済問題だってことがはっきりしてしまったわけだから,ムダなカネは使わずに,将来考えられる社会保障費を前倒しにして投入するってのが政策的課題なんだろうな。

以前のエントリーにはお見合いに変わる「新お見合いシステム」なんてことを書いてみたけど,どうやらそのレベルに到達するためには最低限の収入をクリアしなくちゃならない。それが一番の問題だからこそ,最近のお見合いパーティが一番重視しているのが年収ってことなんだろう。それにしても,6畳一間の小さな下宿に苦労を共にしながらなんて夢はもう見る人もいないんだろうな。雇用の反対にある起業がもっと活発になってくればいいんだろうけど…。
- : comments(0) : trackbacks(0) : 樹 直水 :
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