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タンゴステップ
タンゴステップ 上下巻Amazonで購入書評/ミステリ・サスペンス

戦争が起こしてきた犯罪とは単に誤った思想による国家の犯罪だけとは言えない。なぜなら殺されるのは人であり、殺すのも人だからである。
元警官は彼がナチス時代に犯してきた殺人の影に死ぬまで脅え続けなければならなかった。そして元警官の死を追い続けるステファンもガンという死の恐怖に脅え続ける。そして、最期に彼らが出会うのは死を目前にした真相であった。

近年ドイツにおいてもスキンヘッドにしたネオナチの若者たちが外国人排斥のために暴動を起こすようなことがニュースになったりもしている。日本ではいわゆるネトウヨになるのか?いずれにしてもこういった不満分子のはけ口にネオナチがなっているのは主義主張を超えたなんだかみたいなもんで、パーな若造がはじめて自分を認めてもらえたのがどこかの方々で、ありがたく街宣車に乗って騒いでるみたいな構造なんかもしれない。

赤旗によれば
ネオナチは87団体、3800人、極右政党は3党(共和党、ドイツ国民連合、国家民主党)、2万3800人、極右組織全体では168団体、4万1900人

多分、分かっているだけの範囲だろうから、元警官の娘のようにネットワークで結びついた全世界的なアングラ組織は確実に想定できる。しかし、彼らがいくら組織として存在し得たとしても、ナチズムのリアルを知る者知らない者との間には超えがたい断崖が横たわっている。つまり、元警官と娘との間の絶対的な相違はそのリアリズムが内包されているかどうかということになるだろう。元警官のようにナチズムが身体的である場合にはその痛みがリアルに再現される。彼が殺してきた人たちの影が彼を眠らせることはないのである。一方娘がその思想とコミットしているのはネットワークだけの非身体的な関係。いたるところでコンタクトすることはできるが、決してリアルに体感することはできない。ここが決定的な違いである。

そう、元警官と父の敵を討つために彼を殺した息子はいずれも身体的な痛みを共有しているのだ。だから殺す者も死にゆく者も血のほとばしる修羅場の中でタンゴステップを踏む(踏ませる)ことができた。しかし、ネットワークだけでつながっている元警官の娘が関わっている殺人は単なる排除でしかない。そこには身体的な痛みが共通項として存在し得ないからである。

「タンゴステップ」単なる謎解きを超えてしまおう。生を生としてどう生きたのかを読み取り、どんな生き方があるのかに思案を巡らせてみよう。
- : comments(0) : trackbacks(0) : 樹 直水 :
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