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磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ
評価:
平松 剛
文藝春秋
¥ 2,300
(2008-06-10)
高さ1キロ,日本最高峰の横浜ランドマークタワーのおよそ3倍の高さになるという超弩級高層ビルがドバイに建設されるらしい。発注者はドバイの不動産開発大手ナヒール社。オイルバブルを背景にドバイにはアリエナイビルやリゾート,ジェラシックパークから挙げ句の果てにスキー場まで…。これには「軸」の王様丹下センセイも真っ青だろう。

ようするに「軸」はわかりやすい。縦にすれば高さだし,横に寝かせれば直線。その軸に沿った展開がまたシャープで見栄えがいい。このわかりやすさこそ丹下作の持ち味だし,万人受けするキレイさなのだ。だから都庁を見る人は「スゲー!」と単純に評価するし,「カテドラル」もわかりやすいシャープさに満ちている。そう,一般庶民にとって建築とは万人共通のわかりやすさ=美しさになっているのだ。

かといって磯崎新の建築がわかりにくいとは思わない。そのリゾームとかキューブとかいう思想は庶民には無用だが,「水戸芸術館」にしても「なら100年会館」にしてもそのシャープさやプロポーションは圧巻である。あえて,混沌とか複合とかいう理屈をコンセプトにしながら鑑賞する方法もあるが,彼の哲学的要素を取り込んだ建築手法をわざわざ一般庶民は考える必要もないのである。

というわけで,本書の至る所に出てくる建築メッセージよりも磯崎こぼれ話のほうが断然おもしろい。彼の坊ちゃんぶりや人間くささが,スタッフの人間味と合わせて楽しめるドキュメンタリー仕立てになっている。例えば「にんげんいそざき」みたいな映像にしてみてもシナリオとしては抜群だろう。主役は誰がいいかな〜。

ま,あえていえばコンペのつっこみも続編で読みたいところだが,つっこまないのが筆者の頭の良さだろう。磯崎が「出来レースじゃないコンペは世界中に無い」と言うように,都庁コンペも出来レースの典型みたいなもんだったらしいけど,あまり楽しい話しじゃないしね。

ちょっと難癖つけておけば,本のボリュームの問題もあったんだろうけどもう少し写真・図版を多用しておけば,いっそうわかりやすさが伝わったんじゃないかな。ボクは別として,一般庶民にテキストからケンチクをイメージするのは難しいからね。

御礼:本書は文藝春秋から献本いただきましたが、掲載が非常に遅れてしまったのですいません。

- : comments(0) : trackbacks(0) : 樹 直水 :
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